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清家冨夫写真展
「WEST PIER」


清家冨夫写真

                 ©Tomio Seike

会 期 / 2008年2月5日(火)〜4月5日(土)
時 間 / 11:00〜19:00
休 廊 / 日・月・祝
入場料 / 無料

清家冨夫×渡部さとる対談

写真展に合わせて、清家冨夫と渡部さとるの対談を行います。
日 時 / 2008年2月8日(金) 19:00〜(当日は18:00閉廊)
参加費 / 2,000円
mailもしくはお電話にて要予約。 mailの際はお名前・ご住所・お電話番号を明記のうえ、送信して下さい。
*スタッフより予約確認のmailを送らせて頂きます。

終了致しました。たくさんのご参加ありがとうございました。

*お客様の個人情報を漏洩・流出させたり不正に利用したりしないよう、厳正な管理を実施しております。

内容紹介


写真家・清家冨夫が、英国での活動拠点にしているブライトンの歴史的建造物WEST PIER(ウェストピア)をテーマに撮影したシリーズ。
ブライトンの海に向かって造られた桟橋ウェストピアは、ヴィクトリア期の美しい建造物でしたが、火災や暴風雨で廃墟と化し、海中に鉄骨のみの無残な姿をさらしています。清家はこれらの廃墟にディグニティー(荘厳さ)を覚えたと述べています。
清家独特のモノクロームが際立つ作品、約40点を展示。


ディグニティー
                                                                                                                   清家冨夫

  最初にブライトンを訪れたのは70年代の前半で、初めて住むことになった見ず知らずの異国の地(英国)を、ブラブラと巡り歩いていた頃だと思います。
  ブライトンというはっきりとした意識がないまま撮ったその頃の写真は、70-80年代のカメラ月刊誌で何度か発表しました。
  その後、80年代の後半になってブライトンをベースに制作するようになってからは、特にブライトンをテーマに選んで撮るということはありませんでした。それまでの外から訪ねる視点と、そこが日常になったことの難しさを、その頃は感じていました。

  ブラントンに2つのピアがあることは知っていましたが、特別な関心を持つことはありませんでした。しかし87年10月の大嵐で、そのうちの1つであるウェストピアが無惨な形になってから、このピアがイギリスに現存する数多くのピアの中でも唯一グレードワンにリストアップされている、貴重な歴史的建造物であることを知るようになりました。
  87年以降も、放火や暴風雨など数多くの不幸に見舞われたウェストピアは、それまでくりかえし検討されてきた再建の話を断たれ、今はスケルトンのような姿で波間に佇んでいます。

  2、3年前の初夏、いつもと違って海霧がよく発生しました。そんなある日、散歩に出たぼくは灰色の海霧に包まれたウェストピアを見て、曰く言いがたい印象を受けました。それは太陽がすべてのものを照射し、海辺には多くの人がうごめく、気の遠くなるほど猥雑な普段の見慣れた景色とは異なるものでした。冷たい霧の中に満身創痍で立つその姿に、ぼくはディグニティーという針でちくりと刺されるような思いを抱きました。
  それ以来、霧がかかりはじめると、古い蛇腹のイコンタを持ってウェストピアに向かいます。はっきりした理由はありませんが、ウェストピアを撮るにはできるだけ簡素でプリミィティブなこのカメラが合っているように、ぼくは思います。

使用機材: Super Ikonta Tessar 105mm F4.5

作家プロフィール


清家冨夫(セイケトミオ) 1943年生まれ

独立後にロンドンへ渡り、1974年に帰国。ファッション雑誌を中心にエディトリアル・フォトの分野で活躍。
1985年に発表した「ZOE」シリーズを契機に、作家活動に専念。ハミルトンズ・ギャラリー(ロンドン)、ウェストン・ギャラリー(カーメル)を中心に個展多数。
海外のギャラリーと契約を結ぶ数少ない日本人写真家として、現在も精力的に活動をつづけている。

<主なコレクション>
パリ国立図書館, ヨーロッパ写真館(パリ), ヒューストン美術館, サンタバーバラ美術館(カリフォルニア), Elton Hercules Johnコレクション 他多数

主な展覧会


1984  Zeit Foto Salon, Tokyo
1985  Gallery Seki, Nagoya
        Zeit Foto Salon, Tokyo
1986  Picture Photo Space, Osaka
        Hamiltons Gallery, London
1987  Comptoir de la Photographie, Paris
1988  Kohji Ogura Gallery, Nagoya
1989  Hamiltons Gallery, London
        The Weston Gallery, Carmel
1990  Printz, Kyoto
        Picture Photo Space,Osaka
        Zeit Foto Salon, Tokyo
1991  Galerie Reckermann, Koln
        Galerie Agatha Gaillard, Paris
1992  Hamiltons Gallery, London
        Kohji Ogura Gallery, Nagoya
        Britz, Tokyo
1993  Picture Photo Space, Osaka
        Gallery"292", New York
1994  Robert Kock Gallery, San Francisco
        Galerie Zur Stockerregg, Zurich
1995  Kohji Ogura Gallery, Nagoya
        Hamiltons Gallery, London
        J.Jackson Fine Art, Atlanta
        Robert Klein Gallery, Boston
        The Weston Gallery, Carmel
1996  Galerie Reckermann, Koln
1997  Photo Gallery International, Tokyo
        Exponera, Sweden
1998  Gallery"292", New York
        Galerie Camera Obscura, Paris
2000  Kohji Ogura Gallery, Nagoya
2001  Photo Gallery International, Tokyo
2003  Hamiltons Gallery, London
2004  Galerie f5.6 Munich, Germany
2006  gallery bauhaus, Tokyo
        Hamiltons gallery, London
2007  Photo Gallery International, Tokyo
        Art Photo Site Gallery, Tokyo
2008  gallery bauhaus, Tokyo