gallerybauhaus

榎本敏雄写真展
「薄明の記憶・京都」


榎本敏雄写真

             ©Toshio Enomoto

会 期 / 2008年4月15日(火)〜5月31日(土)
時 間 / 11:00〜19:00
休 廊 / 日・月・祝
入場料 / 無料

榎本敏雄×田中長徳対談

写真展に合わせて、榎本敏雄と田中長徳の対談を行います。
日 時 / 2008年4月18日(金) 19:00〜(当日は18:00閉廊)
参加費 / 2,000円
mailもしくはお電話にて要予約。 mailの際はお名前・ご住所・お電話番号を明記のうえ、送信して下さい。
*スタッフより予約確認のmailを送らせて頂きます。

終了致しました。たくさんのご参加ありがとうございました。

*お客様の個人情報を漏洩・流出させたり不正に利用したりしないよう、厳正な管理を実施しております。

内容紹介


写真家・榎本敏雄が長年撮りつづけてきた京都を舞台に、「陰翳礼賛」を彷彿とさせる独特の光と影の世界を写した濃密なモノクローム作品(ゼラチンシルバー・プリント)、約40点を展示。


薄明の記憶・京都によせて
                                                                                                                   榎本敏雄

  東山の稜線が微かに白みはじめる頃、京の町は盆地特有の一枚のベールに包まれる。動きの止まった空気が、薄墨を流したようである。
  早朝、鴨川の流れがモノトーンから色づきはじめる頃、東山沿いの寺院の甍が逆行の光に照らされ、京都の町は眠りから覚めてゆく。この短い時間に金閣寺の鏡池のほとりに佇むと、未だ光を浴びずいぶし銀のような二層の建物が、瞬く間に闇から金色に立ち上がる。
  存在がその輪郭を獲得してゆく朝、また、その逆である闇に沈んでゆく夕刻の一瞬に惹かれつづけてきた。暗闇から浮かび上がってくる、または沈み込んでゆく存在の儚さ、頼りなさのなかに、無常の存在の美しさがある。その一瞬の陽炎(かぎろひ)を写真に定着させたいと思ってきた。
  和蝋燭に浮かび上がる太夫の白塗りの顔、春の嵐に散り急いだ櫻、春雷……
  金閣、櫻、太夫の写真に流れているテーマは、一貫してとても日本的なものであり、モノクロームでしか表現できないと考えている。

 

作家プロフィール


榎本敏雄(エノモトトシオ) 1947年 東京生まれ

18歳の時に見た東松照明写真集『ナガサキ11時02分』に感動し、グラフィックデザインから写真に転向。
ドキュメンタリー写真家を目指し、東京造形大学にて石元泰博氏、東松照明氏、大辻清司氏、高梨豊氏らに学ぶ。
日本デザインセンター勤務を経てフリーへ。カメラ雑誌・女性誌・企業広報誌・平凡社『太陽』などを手がけ、1985年にエノモトスタジオ設立、現在に至る。

<受賞>
電通広告賞, 日経広告賞, 朝日広告賞, 講談社雑誌広告賞, JRポスターグランプリ 他多数

主な展覧会


1972  第1回個展 「日々」 ニコンサロン
1974  第2回個展 「遠い東」 ニコンサロン
1983  第3回個展 「太夫」 京都クラフトセンター
2001  第4回個展 「開花」 北鎌倉ワイツギャラリー
2008  第5回個展 「薄明の記憶・京都」 gallery bauhaus
2009  第6回個展 「アルルカン」 ニコンサロン
2010  「The Collection II」 出展 gallery bauhaus
        第1回海外個展 「K a g i r o h I」 Galarie Wouter van Leeuwen, Amsterdam
        海外グループ展 「Summer Lover」 museum huis voor fotografie marseille, Amsterdam

写真集


『Far East』 (1991・トータルプランニング出版局)
『か ぎ ろ ひ』 陽炎[櫻・京・太夫] (2009・平凡社)