日出真司写真展
「OBSCURE CONTRAST 曖昧な対比」
©Shinji Hinode
| 会 期 | / | 2011年2月2日(水)〜4月2日(土) |
| 時 間 | / | 11:00〜19:00 |
| 休 廊 | / | 日･月･祝 |
| 入場料 | / | 無料 |
ギャラリートーク日出真司×橘田美幸対談
写真展に合わせて、日出真司と橘田美幸(インテリアデコレーター)の対談を行います。
気鋭のインテリアデコレーター橘田美幸氏を対談のパートナーにお迎えし、「写真を飾る」をテーマに、インテリアとしての写真の可能性や出展作品のデジタル･プリント技法について、お2人にたっぷりと語って頂きます。
橘田美幸 Official Web Site Kitsuda Kwan Interior Design
参加費 / 2,000円
mailもしくはお電話にて要予約。
mailの際はお名前･ご住所･お電話番号を明記のうえ、送信して下さい。
*スタッフより予約確認のmailを送らせて頂きます。
終了致しました。たくさんのご参加ありがとうございました。
*お客様の個人情報を漏洩・流出させたり不正に利用したりしないよう、厳正な管理を実施しております。
内容紹介
自然界に存在する生物や鉱物の中から、同一種でありながら濃淡のある被写体を選び出し、それらを題材に濃淡による色彩の対比を試みた作品。
デジタル･アーカイバル･プリント、22点を展示。
「OBSCURE CONTRAST 曖昧な対比」
日出真司
明治神宮の西参道脇に、乗馬クラブがある。お参りの帰り、たまたま通りかかると騎手に操られた真っ黒い馬が、柵の向こうを走り過ぎて行った。何の気なしに目をやると、馬の尻が目に入った。それは黒光りし、血管を浮き立たせ、妖しくも美しい見事な曲線をしていた。すると今度は対照的な真っ白い馬が駆け抜けて行った。そのタテガミは日光に照らされ、目映いばかりだった。
その対比は絶妙で、場所柄か神々しさすら感じてしまった。
よくよく観察してみると、自然界には同じ種なのに、極端に濃淡の差がある種が存在する。中には大昔に突然変異やアルビノで生まれ、そのDNAを継承していった種もあるだろう。あるいは花やペットなど人間の品種改良によって誕生したものも少なくない。
生き物に限らず何万年とかかって地球が生み出した鉱物にもそれが存在する。何のために？たぶん生物学者や地質学者はその解答を持っているのかも知れないが、そんなことはどうでも良かった。ただ、同じ種における濃淡の差を対比してみたくなったのである。
そこで、黒い馬、白い馬を見た時の、優美で対照的な印象を表現するにはどうしたらいいか考えた。まず濃淡の2頭の馬を一つの画面に入れずに別々に撮ることにした。
通常、被写体の形を浮かび上がらせるために、濃い被写体の背景は明るく、淡い被写体の背景は暗くすることが多い。しかし、ひとつの画面の中で、その濃度の印象を保つために、濃い被写体は暗い背景、淡い被写体は明るい背景にした。2つの画面を並べることで初めて対照的な濃淡を感じるようにしたのである。
でもまだ何かもの足りない。当初モノクロでプリントして対比していた。ふと、オフセット印刷でモノクロ写真の深みを出すために、ニュートラルなグレイトーンではなく特色のダブルトーンやCMYKの4色の掛け合わせで印刷していたことを思い出した。
幾層ものフィルターを重ね、RGBの色味を微妙に加えることで、思いがけない階調を影（あるいは光）の中に発見した。こうして、繊細な階調による「OBSCURE CONTRAST 曖昧な対比」が実現した。
作家プロフィール
日出真司(ヒノデシンジ) 1962年 東京生まれ
1983年、武蔵野美術大学短期大学部商業デザイン科卒。
アルフレックスジャパン等を経て、現在フリー。グラフィックデザインを生業とする傍ら、1996年から写真を撮り始める。
<受賞>
1999 エプソンカラーイメージングコンテスト入選
主な展覧会
2003 個展 Lee Gallery
グループ展 Ceccotti Collezioni
2009 グループ展 「2009 Art Front Collection」 アートフロントギャラリー
個展 アートギャラリークローゼット
2010 「The Collection II」 出展 gallery bauhaus
「THE COLLECTION」 出展 gallery bauhaus