gallerybauhaus

田村彰英写真展
「BASE」


田村彰英写真
会 期 / 2007年9月4日(火)〜10月27日(土)
時 間 / 11:00〜19:00
休 廊 / 日・月・祝
入場料 / 無料




©Akihide Tamura


田村彰英×岡田修一郎対談

写真展に合わせて、田村彰英と岡田修一郎の対談を行います(司会:タカザワケンジ)。
日 時 / 2007年6月15日(金) 19:00〜21:00(当日は18:00閉廊 18:30受付開始)
参加費 / 2000円
mailにて要予約。お名前・ご住所・お電話番号を明記の上、送信して下さい。

終了致しました。たくさんのご参加ありがとうございました。

内容紹介


gallery bauhaus第5回の企画展では、田村彰英の幻の名作「BASE」がニュープリントで甦ります。

「BASE」は60年代後半から70年代前半にかけて、横浜・横須賀・三沢・厚木・横田といった米軍基地を撮影したシリーズです。
60年、安保に揺れる政治の季節。ベトナム戦争が激化し、佐世保では原子力潜水艦エンタープライズの寄港反対運動が盛り上がっていた時代、米軍基地を撮影するという行為には、常に政治的な解釈がつきまとっていました。しかし田村は、米軍基地をモティーフにしながらも、政治的な解釈や主張を写真に盛り込むのではなく、金網で囲われた基地の中に田村自身の眼で"世界"を発見しようとしています。現代においても「BASE」が古びて見えないのは、そこに時代や状況に左右されない確固としたアーティストの視点があるからでしょう。
「BASE」は米軍基地という社会的な意味の強いモティーフであるがゆえに、田村彰英という写真家の個性をもっとも強く感じさせる作品の1つだと言えます。これまでにも写真展や写真集で発表されたことはありますが、ここ数年は機会がなく幻の作品となっていました。今回展示される「BASE」は、改めて作家自身の手で選び直された決定版、作者自身の手による渾身のオリジナルプリントです。
また今回の写真展では、黒澤明監督の映画撮影現場で撮影したスナップショット、8x10のポラロイドで撮影されたヌード、未発表のカラープリント作品なども展示致します。

重森弘淹が激賞した幻の初期作品 「BASE」
写真評論家、重森弘淹は写真集「BASE」にこんな文章を寄せています。
「田村彰英は徹底して感性的な作家である。良くも悪くも、思想やイデオロギーはこの感性のフィルターによって排除されてきたと言って良い。それほど感性のアンテナは鋭敏でかつエリアも広い」
感性の作家・田村彰英が米軍基地に対して向けた視線の確かさは、時代を経ることによってよりはっきりと、私たちの前に現れてきたと言えるでしょう。

田村彰英の感性を刺激した巨匠 黒澤明
「影武者」「乱」「夢」「八月のラプソデイー」の撮影現場に応援スチールとして参加した田村は、世界的な映画監督である黒澤明の、クリエイターとしての姿勢に魅せられます。黒澤もまた田村の写真を高く評価し、自身が登場する広告に田村をカメラマンとして指名したというエピソードを残しています。

作家プロフィール


田村彰英 田村彰英(タムラアキヒデ) 1947年 東京都生まれ。
東京綜合写真専門学校在学卒。在学中から、同校の校長であり写真評論家でもあった重森弘淹にその才能を認められる。
1974年にニューヨーク近代美術館で開かれた「NEW JAPANESE PHOTOGRAPHY」にて、20歳の頃に撮影したシリーズ「HOUSE」を発表。同作品がニューヨーク近代美術館の永久保存作品となった他、多くの作品が東京国立近代美術館、山口県立美術館、東京都写真美術館、川崎市市民ミュージアムなどに収蔵されている。
写真家として雑誌・広告などで活躍する傍ら写真教育にも力を注ぎ、東京綜合写真専門学校、東京造形大学の講師を30年間歴任。アサヒカメラ、日本カメラのフォトコンテスト審査員も歴任している。

2002 全国高校総合文化祭 写真部門審員長担当
2003 日本カメラフォトコンテスト カラースライドの部審査員担当
2007 NHK大河ドラマ公式ポスター担当