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*展示会場は1Fと地下がございます。
  地下へのエレベーターもございますので、お気軽にスタッフまでお申し付けください。


インフォメーション


小瀧達郎写真展 
鎌倉 1975-80  


kotaki写真
               ©Tatsuo Kotaki

会 期 / 2024年9月25日(水)~11月30日(土)
時 間 / 11:00~19:00
休 廊 / 日・月・祝
入場料 / 無料

内容紹介

小瀧達郎が1975~80年にかけて撮影した鎌倉の写真展です。一部の作品は雑誌等に発表されましたが、展覧会は今回が初となります。二十代に多くの時を過ごした鎌倉の風景が50年の歳月を経てよみがえります。
※モノクローム作品(ゼラチン・シルバー・プリント)、51点を展示。

kotaki写真

鎌倉の余白

 小瀧達郎の写真は魔術をはらんでいる。いわゆる幻想性や神秘性とはちがう。気がつくと時空を超えて画面の中に引きこまれ、その空間を満たしていたであろう潮のざわめき、乾いた風のそよぎ、さんざめく夏の陽射し、落ち葉をくすぶらせる煙の匂いなどを感じている。そんな魔術だ。
 今回展示されている作品は、ほぼ半世紀前、好きだった鎌倉に足繁く通って撮影されたものだ。そこから伝わってくるのは過去へのノスタルジーではなく、むしろ明澄で、かろやかな〈永遠の現在〉だ。
 人物写真がいい。見入っていると、自分が写真の人物になりかわったかのような気がしてくる。見ている自分がネコを抱く少女になり、トロンボーンの練習をする若者になり、砂浜で尻をついて空を見上げる老人になる。
 そして彼ら彼女らになった自分が、小瀧の撮った鎌倉の風景の中を歩きまわる。トンネルをぬけ、目眩む光を浴び、風に揺れるススキの茂みに分け入り、濃い影を落とす竹垣のある小道をたどる。無人の風景スナップに、そこを通りすぎていった人たちの気配や残り香がうっすらと感じられる。額縁の向こう側で、作品同士の空間がつながっているかのように。
 それは映画のフィルムのようでもある。別々の時期、ちがう場所で撮影された作品が、見る者の内面でつなぎ合わされて物語を紡ぎ出す。それが小瀧の魔術だ。
 それを可能にしているのは鎌倉という土地柄もあるだろう。ただし、若い小瀧がレンズを向けたのは、歴史に塗り込められた暗く重々しい鎌倉ではなく、海や空、光や闇にむかってひらかれた鎌倉の余白のほうだった。その余白が時空にとらわれない自由な想像力をかきたてる。
 小瀧は、写真の選定やプリントにあたり、半世紀という時が経ったことで、思い込みやこだわりから解放されて作品を客観視できたと語る。それぞれの作品に余白や間が感じられるのは、そのせいかもしれない。小瀧の出会った鎌倉の余白を、ゆったりと散策したい。

田中真知    

kotaki写真

 理由は定かではないが、若い頃、ぼくは仏教や寺に興味を持っていて、鎌倉は憧れの地だった。 父から聞いた話によれば、ぼくの祖父は東京神田で活版印刷用の活字の材料となる地金屋を経営していたそうだ。祖父は過去に震災や戦災を経験したことから、東京から歩いて行ける場所に別宅を建てる計画をたて、その候補地に鎌倉があがったという。しかし、その案は祖父よりも絶大な権力を持つ祖母によって「商人が鎌倉なんぞに家を持ったら気位が高くなっていけない」のひとことで却下され、あえなく千葉の片田舎に変更されたとのこと。ぼくが鎌倉に心ひかれた理由には、そんな伏線も潜んでいたからかもしれない。 好きだった小津安二郎の映画にも登場する北鎌倉に、後年自分が住むようになるとは、当時は夢にも思っていなかった。祖母の放った一言が良かったのか悪かったのか、人生は予測不可能で何とも摩訶不思議なものである。

小瀧達郎    

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作家プロフィール

小瀧達郎 / Tatsuo Kotaki
1972 「日本、その内なるものに向けて」 ニコンサロン
1976 「暖簾」 ニコンサロン
1982 「ブライトン・ドーヴィル・オン・フルール」 ツァイト・フォト・サロン
         フォトキナ・フォトアートⅠ(ケルン)に出品
1983 写真集『巴里の大道芸人』(文・海野 弘)求龍堂刊
         「巴里の大道芸人」の写真展とスペクタクルショー開催 東京大丸デパート
         「巴里の大道芸人」 ミノルタ・フォト・スペース新宿、広島、福岡巡回
1984 「巴里の大道芸人」 ラフォーレ・ミュージアム松山
         国際交流基金アジア伝統交流‘84「旅芸人の世界」のオフィシャルカメラマンとして
         ハンガリー、韓国、タイ、インドの旅芸人を撮影
         同年『マリ・クレール』日本版のグラビア作りに参画、故安原顕氏(中央公論社編集者)ら
         と共に同誌の黄金期を築く
1985 「旅芸人の世界」朝日新聞社(共著)
         東京造形大学非常勤講師となる
         つくば写真ミュージアム‘85「パリ・ニューヨーク・東京展」出品
         「日本現代写真展」 スペイン文化庁主催(スペイン巡回)出品
         「日本の建築家」(全 7 巻)(株)丸善
1987 「小瀧達郎 ポラロイド写真日記」 ポラロイドギャラリー 準朝日広告賞受賞
1991 写真集『VENEZIA』(文・塩野七生)筑摩書房刊
1992 「VENEZIA」 ギャラリー・ビア・エイト(バーニーズ・ニューヨーク 新宿店)
1993 『私の二都物語 東京・パリ』(辻 邦生と共著)中央公論社刊
1994 「風の余韻」 BAUHAUS GALLERY
         『マリ・クレール』主催写真展「パリ」出品 銀座プランタン
1999 「大辻清司と 15 人の写真家たち」 東京造形大学横山記念館マンズー美術館
        「静溢(せいいつ)なる風景」 北鎌倉小瀧美術館
        「ヴェネツィア」 浜松駅メイワン
2000 「ヴェネツィアのカーニヴァル」 北鎌倉小瀧美術館
2001 「静溢(せいいつ)なる風景Ⅱ」北鎌倉小瀧美術館
2002 「ポラロイド写真の世界―時を超えて―展」出品 ポラロイドギャラリー
2003 「ガーデン」 北鎌倉小瀧美術館
2004 「ノースマリン・ドライブ」 ニコン・ウエブ・ギャラリー
2009 「VISIONS OF UK 英国に就いて」 gallery bauhaus
2012 「VENEZIA」 gallery bauhaus
2013 「PARIS 光の廻廊」 gallery bauhaus
2014 「WORKS 1975-2014 神の光が宿る場所で」 gallery bauhaus
2015 「JARDIN d’ HIVER 冬の庭で」 gallery bauhaus
2016 「METAPHOR カフカとの対話」 gallery bauhaus
2018 「Beyond Summer イギリスの夏へ」 gallery bauhaus
2019 「LABYRINTH 水の迷宮 ヴェネツィア」 gallery bauhaus
2021 「WIEN -旅の憂鬱-」 gallery bauhaus
2022 「MASTERPIECE」 広川泰士/小瀧達郎写真展 gallery bauhaus

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KAMAKURA 1975-80
Tatsuo Kotaki Photo Exhibition
25 September 2024 - 30 November 2024

This is an exhibition of photos of Kamakura taken by Tatsuo Kotaki from 1975 to 1980. Some of the works have been presented in magazines, but this is the first time they have been exhibited at the exhibition. The scenery of Kamakura where he spent much of his time in his twenties has been revived after 50 years.



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2-19-14 Sotokanda, Chiyodaku, Tokyo, Japan
Access map
About 6 minutes walk from Ochanomizu station (JR line/Tokyo Metro Marunouchi line).


ニュース


2024/9/14[スケジュール] 横谷宣写真展「黙想録」 2024/5/8~9/14 終了致しました。


写真専門ギャラリー「gallery bauhaus」は写真と出合い、感動を共有できる場所をめざしています。




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