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稲垣徳文写真展
HOMMAGE   アジェ再訪


稲垣徳文写真
                 ©Norifumi Inagaki

会 期 / 2017年3月29(水)〜5月20日(土)
時 間 / 11:00〜19:00
休 廊 / 日・月・祝
入場料 / 無料

*作家在廊日:4/22(土)終日
          4/25(火)・26(水)15:00〜
          4/27(木)16:30〜
          4/28(金)終日
          随時お知らせ致します。


内容紹介


アジェを敬愛する作者が、2012年から5年間かけて、番地を頼りにアジェが写し撮ったパリを再訪。 8x10の大型カメラを使って撮影した作品展。
ゼラチンシルバー・プリントに加え、19世紀当時の写真仕上げに近い鶏卵紙によるプリントも同時に展示いたします。

モノクローム(ゼラチン・シルバー・プリントと鶏卵紙プリント)作品約50点を展示。


ギャラリー・トーク
稲垣徳文「アジェのパリを歩く」

2017年に没後90年を迎えるウジェーヌ・アジェ。
フランス国立遺産学院による鶏卵紙の作法や、アジェの先駆者的存在であり『パリ大改造』を記録した写真家シャルル・マルビルについて。
二人の写真師が残したパリの写真や、アジェのイメージを探してパリで過ごした日々を語ります。

日  時 / 2017年4月22日(土) 19:00〜 (当日は18:00閉廊、18:30より受付開始)
参加費 / 2000円

終了いたしました。たくさんのご参加ありがとうございました。

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後日、スタッフより予約確認のmailをお送りさせて頂きます。

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「HOMMAGE」アジェ再訪

稲垣徳文


「ウジェーヌ・アジェ」の作品に出会ったのは1980年代末に銀座で開かれた回顧展だった。淡いセピア色の静謐な景色が記憶に残っている。アジェは「失われゆく景色を写した写真家」と表現されることから、その景色はもはや存在しない。そう思っていた。
2012年の秋、パリに行くことになりアジェの写真集を眺めていた。ふと写真に記載された地名をWebで調べてみると同じ名前の通りがあることがわかった。それから数日かけて写真集に収録されたすべての撮影地を確認したところ、パリの道の名称はこの100年、ほとんど変わっていないことが判明した。
表紙の「セーヌ通り」は、ポン・デザールとサン・ジェルマン・デ・プレを結ぶ道だった。これまで何度も歩いているにも関わらずアジェの風景と認識したことは一度もなかった。その年の暮れ、私は大判カメラを携えて再びパリに出かけた。ピントグラス越しに「セーヌ通りの三叉路」を眺めること、それが旅の出発点であった。
毎朝、パリ北駅にほど近いサン・マルタン運河沿いのホテルから共和国広場を経てシテ島へ向かう。ポン・ヌフを渡りサン・ミッシェルへ。パリはメトロも便利だがやはり徒歩がいい。空模様を伺いながらアジェのイメージを探し歩く。アジェのパリには撮れそうで撮れない密度のようなものがある。それは大判カメラのパースペクティブだけでは証明できない構図の絶妙さにあった。パリでの日々を私はそんな風に過ごした。
フィルムや印画紙といった大判カメラを取り巻く写真環境は年々厳しくなって来ている。国産のバライタ印画紙はすでになく個人輸入に頼る状況だ。しかしながら世界にはまだ、素晴らしい印画紙を作るメーカーがある。モノクロフィルムからのプリントはバライタ印画紙が最も繊細な表現ができると考えている。
鶏卵紙はそうした危機感から取り組み始めた。作法はパリにある国立遺産学院のワークショップを参考にしている。CANSONのデッサン用紙で作る鶏卵紙は柔らかな光沢感のある仕上がりになる。その紙が19世紀当時の紙質に近いという。
天候にも左右されるため満足できるのは二割に満たないが、8×10サイズの紙に卵白をムラなく塗布することが美しいプリントを得る鍵になる。鶏卵紙は多階調タイプのバライタ印画紙を凌ぐ階調性がある。19世紀の写真技法は逆光の石畳の質感さえ表現できるのだ。これらの作品はウジェーヌ・アジェと写真の黎明期を生きた写真師たちへのオマージュでもある。


作家プロフィール


稲垣徳文(いながきのりふみ)

1970年 東京都生まれ
法政大学社会学部卒業。在学中より故・宝田久人氏に師事。
朝日新聞社『AERA』嘱託カメラマンを経てフリーになる。
日本写真協会会員。

<展覧会>
1991年 「タシュクルガンへの道」新宿/オリンパスギャラリー
1995年 「大陸浪人」渋谷/ドイフォトプラザ
2000年 「PORTRAIT OF TIBET」"Dalai-Lama" 東急港北特設ギャラリー
2007年 「In the viewpoint of Asia / Tokyo」galerie Litfasssaule ミュンヘン/ドイツ
2011年  巡礼「West Tibet Mt.Kailashi」新宿/コニカミノルタプラザ
2011年 「Habitat そこにある暮らし」新宿/フォトギャラリーシリウス
2012年 「アジェの見たパリ」フジフィルムスクエア・ミニギャラリー

<書籍>
1995年 「大陸浪人」写真集/編集室V3
2005年 「旅、ときどきライカ」フォトエッセイ/エイ文庫・エイ出版社
2015年 「Corner of Paris〜アジェが見たパリ」電子書籍Kindle版

<収蔵作品>
「大陸浪人」清里フォトミュージアム



HOMMAGE
Norifumi Inagaki Photo Exhibition
March 29-May 20,2017

gallery bauhaus
2-19-14 Sotokanda, Chiyodaku, Tokyo, Japan
Access map
About 6 minutes walk from Ochanomizu station (JR line/Tokyo Metro Marunouchi line).