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Interview
Atsushi Sugiura


上野道弘 岡崎正人 小瀧達郎 小松義夫 杉浦厚 世利之 田所美惠子 田中長徳 那須則子 堀野浩司


sugiura写真


Q. パノラマカメラを撮りはじめたきっかけを教えてください。

A. 田中長徳さんのパノラマ写真集を観た後、お会いした時に使っていらしたロシア製Horizontに接し興味を持ちました。昨年最初に撮影をした時はパノラマカメラの知識もなく、ちゃんと撮影できるのか?写っているのか?プリントできるのか?と半信半疑でした。

Q. 沼地をパノラマ写真の撮影地に選んだ理由は何でしょうか?

A. コロナ禍で在宅勤務が推奨となってしまったため、遠くへ撮影に行けず、自宅から徒歩圏内を歩いていた時にこの沼地を偶然見つけました。最初はLeicaやMakina67で撮影していましたがパノラマカメラで撮影したら面白いのではないかと思いました。

Q. 使用したカメラについて教えてください。

A. 最初はebayでモスクワから購入したHorizontで撮影をしました。
それが昨年末に不調になってしまったので年始に地元のカメラ屋さんからWideluxF6Bを購入しました。その後は主にWideluxF6Bで撮影しました。

Q. 杉浦さんは普段いろいろなカメラを使われていますが、いつもの撮影との違いはありましたか?またパノラマ写真の魅力を教えてください。

A. 普段はMakina67などの中判カメラやLeicaなどの35mmフィルムのカメラを使っています。僕が今回使ったHorizontやWideluxF6Bなどのパノラマカメラはフルサイズと言われているライカ版より1.7倍ほど横幅がありレンズ自体は28mmクラスの広角です。固定式の距離計なのでピント合わせが出来ません。シャッタースピードと絞りのみ自分で調整します。
魅力としてはファインダーをほぼ使わずに撮影しているのでセンター以外の両端はどのように写っているのか現像するまでわからないところです。また、どちらのカメラも高精細に写るレンズだと思います。今回暗室で4回ほど焼きましたがネガは焼きやすい印象でした。

Q. 暗室作業でのこだわりはありますか?

A. 引き伸ばし機はいつも使っているDurst Laborator1200を使いました。
ネガキャリアはパノラマ用が無いので以前プロプリンターの方に頂いたガラスのネガキャリアに黒いケント紙を貼って自作しました。あとは中判カメラのプリントと同じ手法でプリントをしています。こだわりというほどではありませんが引き伸ばしレンズはApo Rodagonを使っています。

Q. 最後に、本作品の見どころを教えてください。

A. 偶然発見した場所ですが、国籍不明な沼地にインスピレーションを刺激されました。見る人によって様々な土地を連想できるのではないかと思います。


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杉浦厚 Atsushi Sugiura

1968年生まれ 幼少期のスーパーカー・ブームに触発され銀塩カメラで車の撮影を始める。
2011年の渡部さとるワークショップで本格的に暗室作業を始める。その後、プロプリンターのワークショップでプリント技術を6年間ほど学ぶ。
2012年〜現在までグループ展・個展など精力的に活動している。

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エボニーで撮影中の杉浦厚                          
Photo Satoru Watanabe                          


文責・編集 gallery bauhaus
鈴木拓也             



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