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Interview
Yoshio Komatsu


上野道弘 岡崎正人 小瀧達郎 小松義夫 杉浦厚 世利之 田所美惠子 田中長徳 那須則子 堀野浩司


komatsu写真


Q. パノラマカメラをはじめて手にしたのは30年以上前とのことですが、パノラマカメラをはじめたきっかけを教えてください。

A. 1980年代後半に長めのスペイン取材にあたってパノラマカメラを購入し持ってゆきました。
昔、友人のスイス人写真家が「旅に一台のカメラを持ってゆくのならワイドラックスだ」と言っていたのを思い出し、私も持ってゆこうと思ったのです。

Q. パノラマ写真の魅力を教えてください。

A. 取材現場にいる、という実感がよく表せられるからです。普通ものを見る時、人間の視野は意外に狭いので、それを超えた世界が写るからです。ワイドラックスはレンズが左から右に動くので狭い視野を首を振って確認する楽しさがあります。

Q. 今回、スペイン・ガーナ・ボリビア・メキシコ・ペルーの作品を展示しておりますが、印象に残っている撮影地やエピソードはありますか?

A. ボリビアの広い空の下にいる自分自身をうまく表せるのはパノラマ写真だからだと思っています。ガーナの土の家はカメラを少し前に傾けて撮ったので土の家の曲線が強調されてよかったと思っています。

Q. パノラマ展ではカラー作品は小松さんだけですが、カラープリントでのこだわりはありますか?またプリントはどのようにされましたか?

A. 今回は昔ながらの4X5サイズのインターネガをつくってType-C Printをしました。デジタル出力とは違った肌合いの写真が出来たと思っています。

Q. 本作品で使用した、パノラマカメラとフィルムについて教えてください。

A. レンズが移動するワイドラックスF8がほとんどですがメキシコの写真はフジのTX-1に45mmレンズを付けて撮りました。フイルムはコダクロームとフジのRDPです。ボリビアの写真はコダクロームで撮りました。

Q. 最後に、本作品の見どころを教えてください。

A. 取材地からそのまま歩いてきたような写真だと思っています。写真が生きていて歩いてきた、と感じていただければ幸いです。


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小松義夫 Yoshio Komatsu

写真学校に学びエジプトへ。1967年中東戦争でカイロの日本放送局支局のためムービーを回す。スイスに渡り暗室で働き、帰国後スタジオに勤務。
1971年にフリーランスとなり、当時社会主義の東ヨーロッパ、そして中近東を取材のため車で走る。
1981年早稲田大学K2西壁登山にムービー・カメラマンとして参加。
以後、人々の生活を包む器としての家の形を求めて世界中を廻り、世界の家を取材して40年近くになる。


sugiura写真

ヨーロッパを車で撮影旅行中の小松義夫
Romania


文責・編集 gallery bauhaus
鈴木拓也             



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